K寺庫裡 増築工事 (2016.11~2017.1)

冬になり、雪の心配もあるこの時期に、お寺の庫裡の増築工事を行いました。このお寺の庫裡は、この工事で3回目の増築工事となり、いづれも弊社が設計を行ってきました。このたびの工事で難しいのは、既存の庫裡との接続部分で、耐震の絡みで構造体部分をわずか縁をきって、つなげることがポイントでした。(もちろん、外見上はつながっていますし、行き来もできます)。


(第1回目の庫裡ですが、これも工事するのに苦労しましたが、立派な建物となりました)

さて、今回の工事を見てみましょう!


(天気の良いうちに基礎工事を終えることができました)


(日取りとみて、建前です。この日は日曜日でした)


(既存部分とすこし離しています)

今回の増築ですが、既存との行き来の都合上、平屋建てながら高床式(下は空いています)の建物なので少し変わっています。なので、上棟後は普通の二階建ての建物のように見えます。


(杉の4寸柱を使った骨格は、なかなか立派ですね)

そして、屋根上を見てみると、取り継ぎの部分ですが、皆さんは普段見ることがないと思いますので、ちょっと見てみましょう。


(既存の瓦をはいで、屋根の下地を作り直します)


(下地の野地板は、杉の荒板です。屋根の呼吸を考えた上では、無垢板が最高です)


(屋根屋さんが、雨漏りが無いように上手く合わせて施工しています)

屋根材は、地場の安田瓦葺きです。約1200度で焼き上げた瓦は、丈夫で長持ち、厳冬期でも真夏でも湿気の強い梅雨時期でも、まったく問題にしません!しかも、メンテナンスフリー♪(これって、すごく良い素材だと思いませんか?)


(外部は、杉板のヨロイ貼りです。)

無節の杉材を用いて、下側から少し重ねて貼っていきます。最後に。板が反ったりしないように、板の形状に合わせて切込みを入れたササラ押縁(縦材)をその杉板の上から押し当てていきます。これがまた、大工さんの技術や経験が必要となる技法なのです。慣れていないと手間が掛かります。できない大工さんも多いかもしれません。しかし、この外壁にするととにかく長持ちし、家のためには良い仕様だと思います。(工業製品では耐用年数があります)見た目の好みもあるかもしれませんが、趣や立体感があるように思います。


(屋根の下は、これもまた杉板が化粧として見える作りです)


(高床式ながら、床下に断熱材を多く敷き込みました)

屋根・壁など外部が終われば、内部の造作工事に専念です。この時期は、もっとも日が短い時期なので16時くらいには、もう真っ暗となります。作業性も悪くなるのですが、灯光器をつけて、遅くまで職人さんが作業していました。


(暗いながらも内部造作は、天候に左右されないので、作業ペースを保てます)


(暴風シートで覆われたベランダ廻りは、防水屋さんがFRP防水工事を行いました)


(天気を見て、塗装屋さんが外部塗装。既存の外壁塗装も傷んでいたので、広範囲を塗っていました)

何とか、大雪に見舞われず工事は完成しました。では、完成後。


(内部の床は、杉板の塗装仕上げです)

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(ベランダ内部も排水管やオーバーフロー管をとっています)


(外見上は、二階建てみたいですね)


(正面からの外観です)

お寺の工事には、(設計する上で)建築の法律や消防法など、制約される部分も少なくありません。また、各檀家さんへの配慮など、難しい部分が多いのですが、完成してみて喜んでいただけるのは何よりと感じます。

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