A邸 新築(2階建て)工事 2012.6~12
新築2013.01.30
相談にこられたお客様は、まだ若いご夫婦でしたが、伝統的な在来建築工法に興味があり、その良さを知っていることに感心しました。
昨年の晩秋くらいから、お客様と間取りの検討を重ね、A邸の住宅計画を決定しました。根気が要りましたが、重要な期間だったと思います。
芯持ち(杉)4寸柱を全部で50本以上。大梁も末口9寸の丸太サヤ落しを使用、土台は芯持ち桧、窓枠、巾木、廻り縁などの内部造作材も無垢材。随所に材木をふんだん使用した家です。天井材も杉板(無節)。床材は、カラマツや杉のムク厚板。ほとんど既製品を使っていないので、家の質がとてもいいですね!
春。晴れの日に地鎮祭と近所への挨拶回りをしました。
(大安におこないました)
水位の高い地盤でしたので、松杭(17本)を打込み万全を期しました。
原始的ですが、この松杭は色々な杭の中でも、かなり効きますよ。
(やや騒音が近所迷惑だったかも・・・)
A邸の基礎工事は、1ヶ月半くらいかかりました。
(しっかりしたベタ基礎です)
いよいよ建前です。
大工さんの作業場で墨付け・刻みをした材木を現地で、組んでいきます。家づくりで、もっとも重要な工程です。
(レッカー車が、次々に材木を揚げていきます)
(息を合わせて組んでいきます)
2日がかりで、無事に上棟!
(なかなか立派です)
次に、屋根工事。
瓦は、地元の名産「安田瓦」を使用しました。いい瓦ですね~。
焼きの温度が、ものすごく高いので、長持ちしますよ。
メンテナンスフリー!
(瓦の割り付けが肝心)
梅雨入前に、小舞かき(竹+ヨシ)と土壁塗りをおこないました。
我が建築相談所の得意とするところです。
(最近、こんな家づくりは見ないですね~)
(土壁は、ホントいいですよ)
塗った土壁が、乾いてから、外部からの吹き込みを防ぐため、シートとサッシ窓を取り付けます。
(これで隙間風は、ありません)
内部・外部の造作工事も着々と進んでいきます。
(内部も丁寧に)
(木のヨロイ板貼り仕上げです)
季節は、秋になり左官屋さんが、内部の土壁中塗りを行いました。
(手間がかかります)
外壁のヨロイ貼りが完成し、木の塗装工事が終わると、妻間部分(三角の部分)・小壁(上の部分)に板金屋さんが、サイディングを貼っていきます。
(サイディングが結構重いんです)
完成間近。左官屋さんが、仕上げの漆喰を塗っていきます。この家では、全て漆喰塗りという大変な作業でした!
(コテに漆喰をのせるのも技術)
(平滑に塗るのも技術)
最後に、外部の下屋部分を組み立てました。
(駐輪場として活躍)
完成しました!水廻りは、全部手作り。そして、玄関は、木製引き戸で作りましたので、他にはない家ができました。
(キッチンは、ステンレスの質感が◎)
(個性的な洗面台)
(懐かしいモザイクタイル貼りのお風呂)
(漆喰の白が美しい壁とワラ床仕様の畳)
(趣きのある黒御影石と玉砂利洗い出し仕上げの土間)
(古民家風で重厚な外観)
感想:土地は、新潟駅南口に近い場所で、便利の良い場所です。しかし、日当たりや広さなど決していい条件では、ありませんでした。40坪弱の住宅設計するにあたり、自然環境を考慮し、どうしたら住み心地がよい間取りなのかをを考え抜き、最後は、予定にどうり(?)素晴らしい家になりました。越後杉の補助金を利用できたのも良かったですね!