久しぶりの遠方現場。風光明媚な長野県の避暑地にて現場がスタート!
(現場から見える北アルプスの山並みがとても美しい)
周辺の自然が美しいのですが、ここで暮らすとなると厳しい気象条件をクリアできるような設計にしてやらないと・・・そんな考えをもちながら、お施主様と十分打ち合わせをしていきました。(半分は、観光気分的な部分もありましたが・・・笑)自然の良さを生かしながら、暮らしやすい家。間取りや地域性に合った造りなど、これはもうワタシの得意とする日本建築の根幹部分です。
初夏を感じさせる梅雨の晴れ間の吉日。地鎮祭を行ってから、まずは基礎工事。山の中腹にあるので、地盤が非常にしっかりして良好でした。そして今回の基礎は、(この地域周辺がそうなのですが)屋根の雪を自然落下型させるため、家の脇に落下した雪山がかなりの高さになります。そのため基礎は一般の住宅に比べ、高さのある基礎仕様です。
(基礎つくるための型枠や鉄筋量も半端ない量でした)
コンクリートの硬化・養生を待って、脱枠を行います。その後、盛土や砕石敷き・防湿シートを敷込み、最後に内部の土間コンクリートを打設して、基礎完成です。
(ボリュームのある基礎でしたが、コンクリートもキレイに打設できていたと思います)
基礎工事で、1か月半くらい掛かりました。時期は夏、工事の要である建前作業が行われ、レッカー車と大工さん方が呼吸をあわせ木材を組んでいきました。これまた、木材量も半端じゃない量でした。
(組みあがると全体が分かり、家らしくなって見えます。立派な感じですね)
今回の屋根勾配は7寸。雪を滑り落とす角度としては十分で、水キレも良いのも特徴です。ただ、人はちょっと怖くて上がられないですね(汗)。
(小屋梁には、杉丸太)
(大黒柱は、8寸のヒノキ)
(内部に入ると木の香りが充満していてイイ。それと、丈夫そうな感じが見た目でわかってイイ)
屋根工事・外壁工事は、板金屋さんの腕の見せ所!車庫と住宅がセットになった家ですので、屋根面積・壁面積がとても多く、貼るのも大変だったと思います。(その分、見た目がカッコよく映えますね)
(板金屋さんに細かな納まり・雨仕舞などお願いしましたが、上手くまとめてもらい感謝!)
(窓廻りの防水処理や壁の通気層などを考慮して外壁を貼っていきました。今回は、リブ付の金属サイディング縦貼りです)
内部の方は、大工さんが着々と作業を進め、断熱材も寒冷地に適したもの使用し、窓サッシも寒冷地向けの樹脂サッシを使いました。最近は、みんな建材の性能がいいですね。
(若い棟梁でしたが、真面目で一生懸命頑張っている姿がとても印象的でした)
(窓枠や建具枠には、栂材を使用。こういう所にも無垢材を用いると質感のある良い住宅になります)
内部の下地が終わると、一気に現場は加速していきます。(内装工事・設備工事・電気工事・左官工事など複数の業者が現場で作業を行います)
(内装屋さんが、下地調整パテカイを進めています)
(内部の吹き抜け部分に足場を架け、左官屋さんが照明をつけながら遅くまで塗り壁作業していました)
(玄関ポーチ内の床タイル貼りや外部塗装も終え、いよいよ完成間近です)
最後に薪ストーブ屋さんがストーブを設置して完成です。この地域は、薪ストーブの設置率が高いようです。(稼働率も高く、1年の半分はストーブが活躍)
(先に取り付けた二重煙突に合わせ、ストーブ本体を据え付けていました)
(天気の良い休日、お施主さんと薪を運んで積み上げていきました)
かなりの薪の量でしたね(笑)。薪はナラ材。
ところで、完成を前にして長野県北部地震に遭遇するというアクシデントがありました。震度6クラスの地震でしたので、全国ニュースでも大きく取り上げられました。幸い無事でしたが、こういうケースは初めてでしたので、ホント焦りました。でも地盤や構造がしっかりしていれば、家は持つという実証ができましたので、今後の安心感にもつながるのではないでしょうか。
では完成。
(青森ヒバで作った存在感のある木製玄関引き戸)
(トップライトを設けた吹き抜けのある玄関ホールは、古民家のよう)
(広いリビング・ダイニングの中心に薪ストーブを置き、楽しめそうな部屋になりました)
(作業しやすい広さのキッチンと奥に食品庫を併設させ、収納もバッチリ)
(食品庫の隣にある勝手口は玄関とつながっていますので、日常の物置として重宝します)
(薪ストーブの暖かさが煙突のある吹き抜け部分を通って、2階ホール全体を暖かくしています)
(個室の建具も無垢材と硝子を使って作りました。雰囲気が良いですね)
(この年は例年より雪が多く、屋根から落ちた雪の量もすごい!)
ということで、無事完成しました。遠方での仕事ということで、現場に入っていた職人さん方と協力し合って、震災にも負けず、完成に導くことができ良かったです。こういう経験って素晴らしいと思います。お客様も喜んでくれ感謝!大自然の中で四季とともに楽しんでいただけるのではと思っています。